子供の頃に両親から当たり前の愛情を受けずに育った人は、心に大きな傷や埋められない心の空洞を抱えている場合が多いように思います。
ある年配の方は、両親から勉強だけを強いられ、まともな愛情を与えられずに育ったため、ある時点で感情が凍り付き、感じる事を自ら遮断してしまったそうです。そんな中、その方の唯一の救いは家庭教師との出会いだったようで、何も強制せずに黙って見守ってもらうことにより、その方は絶望の日々の中でようやく光を見出すことが出来たのだそうです。
成人後は結婚しましたが、配偶者からは常に見下され否定的な言葉を浴びせられる日々が続いたため、自己肯定感が低いまま現在に至っています。
かつては両親がその方の人格を否定する支配者でしたが、結婚後は配偶者が支配者になってしまったということです。子供の頃に受け付けられた恐怖心や自己否定は強烈で、誰かに攻撃されると、恐怖心が先に立ち言い返したりすることは難しいようです。
不適切な養育環境は、子供の心を壊してしまうほどの破壊力があります。生涯を通じてその子の心に暗い影を落とし、とても生きづらい人生を強いてしまいます。人の親になるということは、その子供の支配者になることではないにも関わらず、子供を自分の所有物のように扱い支配する未熟な親が増えているように感じています。